昨日、最高裁が、諫早湾干拓潮受堤防の開門調査を求める私たちの訴えに対して、実質的にこれを退ける判断を示しました。

極めて残念な判断だったと言わざるを得ません。

2010年、福岡高裁が出した開門判決に対して、当時の私たちの政権はこれを上告しないという意思決定を下しました。これをもって開門判決は確定したわけです。

しかしそれから12年経った今、最高裁は今度は、開門しなくて良いという判断を下したわけです。

裁判所において一度確定した開門判決が、その後裁判所によって覆され無効となる。これは一体何なんでしょうか。

裁判所で「〜〜を命じる」という判決が出たとしても、それをずっと実行せず拒み続けたら、いつかは免除されることがある、という例を裁判所自体が作ってしまったわけです。

裁判所の判決に対する信頼が大きく揺らぐ結果となります。

野村農水大臣は、「訴訟はやめて欲しい」と言いました。しかし、開門判決が確定した後に、わざわざ訴訟を起こして、これを無効化しにかかってきたのは国の側です。

ご都合主義にもほどがあります。

開門に向けて、裁判上を含めた戦いは今後も止まることはありません。有明海の深刻な状況は明らかであり、継続しています。いや悪化しています。

しかし最終的な解決はやはり話し合いの上でなされるべきです。国は予断を持たず、関係者の間の話し合いを主導する責任を果たすべきです。国がその努力をしないから、これだけ多くの方々が長い間、この問題の犠牲者となり苦しみ続けます。

その方向性を出していくために、私たちは戦いを続けていきます。

宝の海、有明海を取り戻すために。