安倍政権が検討している、長時間労働規制の具体的な上限時間について、報道で「月平均60時間」と出ていました。

あれっと、思って読み返してみるとやっぱり「月平均60時間」。この「月平均」という言葉がクセモノ。政府側はさも短い月上限時間だと宣伝したいのでしょうが、「月平均60時間」ということは即ち、60時間×12ケ月=720時間で、「年間720時間」ということ。これは36協定の年間上限時間=360時間の2倍に当たるもので、これだけで有効な規制とは言えません。

さらに記事を見ると、ひと月の上限時間については「繁忙期は月100時間」とある。「繁忙期は」との修飾語はついているけれど、これは即ち「100時間」というひと月当たりの上限規制のこと!   労災認定され、最近和解が成立した電通・高橋まつりさんのひと月当たりの残業時間は70時間でした。

「ひと月当たり100時間」という規制は、全くもって有効な規制とは言えません。ましていわんや、それを「月平均」などと言った「目くらまし」のような説明で国民に見せようとする政府の態度は不誠実極まりないものです。