野田前総理が、前総理という立場では極めて異例なことですが、予算委員会で質疑に立ちました。その理由はもちろん、安倍総理に対して、党首討論で約束していた議員定数削減の実行を迫るためです。

2012年11月の党首討論で安倍総理が約束した議員定数の削減。実行されないままここまで来ています。

野田前総理が質問に立つということを察知してか、安倍総理は今日あらかじめ、先の選挙制度改革に関する第三者機関の勧告を受けて、10議席を削減することを前倒しすることを表明しました。

前倒しはポジティブなこととして受け止めるとして、10議席削減というのは、まだほんの第一歩です。

さらに、問題はその中身です。安倍総理の答弁を聞いていると、第三者機関が提案したアダムズ方式による区割りの変更は受け入れない雰囲気。

とすると、どこの地域、どの都道府県でどう議席を削減するのか。まさか党利党略で自民党に都合のいい議席削減、区割り変更案を提案してくるのではないか。

そのような疑念を呼ばないためには、第三者機関が勧告したように、アダムズ方式による区割りの変更まで受け入れるべきです。どうも安倍総理の今日の前倒し発言は、この点が中途半端な気がします。

これからの議論がますます大事です。