金融庁で今般創設される国際問題を担当する次官級ポスト、金融国際審議官に、河野正道さん(現金融庁国際政策統括官)が就任することになりました。
 
河野さんは、私の財務省時代の先輩です。長い間金融の世界で活躍され、特にリーマンショックなどを受けて大改革の続く、バーゼル規制をはじめとする国際的な金融規制の枠組みと作りにおいては、日本を代表して長期にわたり取り組んで来られた、世界的にも有名なエキスパートです。
 
53年入省なので、次官級のポストに就くとすると、とうにそうなっていておかしくなかったところ、金融庁は創設されて日の浅い役所なのでポストに恵まれず、これまで大変苦しい中頑張って下さいました。
 
私が金融庁大臣政務官時代、国際政策統括官という局長級ポストを創設し就任して頂きました。それですら遅くなって申し訳ない思いでした。
 
今から10年以上前、私が在インドネシア日本大使館勤務が間も無く終わろうとする頃、私は英紙「Financial Times」紙の読者のコラムに、一節のコラムを投稿したことがあります。日本の経済改革とその世界的評価についてだったと思います。それを当時金融庁監督局総務課長であった河野さんは読んで下さったらしく、私が後日金融庁銀行第一課銀行監督調整官に任ぜられた際、河野さんから「我が省からあのようなコラムを投稿できる者がいるとは感心した」と言って下さったことを思い出します。
 
今度は金融国際審議官という次官級ポストですから、国際社会の中で河野さんの経験と実力を如何なく発揮してもらえる仕事だと思います。ご活躍を期待しています。