衆議院農林水産委員会での、減反廃止、戸別所得補償廃止といった政府による農政改革案についての審議は、今週大詰めを迎えます。
 
私たちからは、戸別所得補償制度の法制化を中心とした対案を示して議論を展開しています。法案の修正協議も与野党で精力的に行っていますが、農業に関する、与野党間の理念的な立場の違いは明らかであり、難しい議論となっています。
 
私たちとしてはあくまでも、戸別所得補償制度を軸としながら、営農を続けられる体制を確保することで、その中で農地の多面的機能、すなわち、緑を守る、環境を守る、地域を守るといった機能を果たしていけるようにと考えています。
 
しかし政府与党側は、多面的機能支払いという、これまでの農地水支払いの拡充版のようなもので、多面的機能を維持するという考え。農業を誰が継続して担っていけるのかという点については、全く明らかではありません。
 
加えて、日豪EPAが進みました。今TPPも進もうとしていて、この中で牛肉、豚肉生産の畜産農家は極めて大きな影響を受けようとしています。このまま畜産農家を続けていけるのかという声が各地から上がっています。
 
そんな中で、政府の案は、飼料用米への政策誘導を強化し、それによって主食用米生産を減らしていこうという考え。一方で国内の畜産農家が減る方向の政策をとりながら、もう一方では国内畜産農家の存在を前提として飼料用米振興政策を打ち出している。このちぎはぐさは、何とも説明がつきません。
 
今週は日本の農政にとって、大きな一週間です。